よろず相談所 スタッフブログ

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検察批判について思う

弁護士の寺田です。

民主党小沢一郎幹事長の政治資金疑惑がマスコミを賑わしています。東京地検による石川議員の逮捕、陸山会事務所へのガサ入れ等について、民主党の中には、これを批判する勢力もあるようです。

しかしここで考えるべきは、検察は何も独断でこれらの行為をしているわけではないということです。

石川議員の逮捕に当たっては、裁判所が逮捕状を発布しており、また、陸山会事務所へのガサ入れについても、裁判所が捜索差押許可状を発布しています。つまり、検察が裁判所に提出した証拠資料を裁判所が検討して、裁判所がこれを妥当であると考えたからこそ裁判所が令状を発布し、検察はこれに基づいて逮捕及びガサ入れをしているにすぎないのです。そうである以上、仮に民主党が批判するとすれば、その対象は検察ではなく裁判所であるべきでしょう。

検察は捜査機関であり、疑惑を持てば調べるのは当然です。任意捜査ではなく、強制捜査をしたいと考えるのも、捜査機関である以上、ある意味当然といえます。
しかし、日本国憲法は、捜査機関の暴走を抑止するべく、強制捜査には裁判所の許可(令状)が必要であるという立場を取りました。ですから、今回も、検察が勝手に逮捕したりガサ入れをしたりしたのではなく、裁判所の令状に基づいて、強制捜査に及んだわけです。
ここのところを誤解して、一方的に検察を批判するのは明らかに筋違いというべきでしょう。

現在の刑事司法における大きな問題は、この裁判所による令状発布が形骸化しているということなのです。
本来、裁判所は、捜査機関からの令状要求に対して、本当にそのような強制捜査が必要なのかどうかを厳しく審査して判断しなければなりません。ところが、実際には、裁判所は、捜査機関からの令状請求をほぼフリーパスで通しています。
これが問題なのです。
逮捕の必要性がないのに逮捕され、勾留(逮捕後に20日間身体拘束されることをいいます)の必要性がないのに勾留されることは日常茶飯事です。そして、そのような安易な身体拘束の結果、外に出たいばかりに虚偽の自白をしてしまうという事例が後を絶ちません。

我々がなすべきことは、安易な検察批判ではありません。裁判所の令状審査が本当に適切になされているかどうかをこそ大いに問題とすべきでしょう。
マスコミも、このような視点から問題を取り上げるべきです。

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